石牟礼道子

ことばの奥深く潜む魂から“近代”を鋭く抉る鎮魂の文学石牟礼道子(いしむれ・みちこ)

1927年、熊本県天草に生れ、水俣で育つ。詩人・作家。
1969年に公刊された『苦海浄土 わが水俣病』は、水俣病事件を描いた初の作品として注目される。1973年マグサイサイ賞、1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年度朝日賞を受賞。『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で2002年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2014年、後藤新平賞受賞。初めて書いた新作能「不知火」が、東京・熊本・水俣で上演され、高い評価を受ける。石牟礼道子の世界を描いた映像作品として、「海霊の宮」(2006年)、「花の億土へ」(2013年)がある。
『石牟礼道子全集 不知火』(全17巻・別巻1)が2004年4月から刊行され、10年の歳月をかけて2014年5月完結する。この間に『石牟礼道子・詩文コレクション』(全7巻、2009-10年)や『最後の人・詩人高群逸枝』『葭の渚――石牟礼道子自伝』『不知火おとめ――若き日の作品集1945-1947』『石牟礼道子全句集 泣きなが原』(俳句四季大賞)などを刊行。2016年8月、名著『苦海浄土』三部作を一冊にした大著『苦海浄土 全三部』を刊行。最新刊に『無常の使い』がある。往復書簡『言魂』(多田富雄と)は話題に。対談は多数。