著者紹介

ロベール・ボワイエ

レギュラシオン理論の旗手

マルクスの歴史認識とケインズの制度感覚の交点に立ち、アナール派の精神を継承、さらには、ブルデューの概念を駆使し、資本主義のみならず、社会主義や南北問題をも解明する全く新しい経済学=「レギュラシオン」理論の旗手。現在は、数理経済計画予測研究所(CEPREMAP)および国立科学研究所(CNRS)教授、ならびに社会科学高等研究院(EHESS)研究部長として活躍。「制度諸形態」「調整様式」などの概念と共に、制度論的視角を持ったマクロ経済学として生まれた「レギュラシオン」を、最近の諸学派との切磋琢磨を通じ、「制度補完性」「制度階級性」「制度的多様性」「制度的変容」などの論点を深化させている。

Robert Boyer(1943- )
1943年生。パリ理工科大学校(エコール・ポリテクニック)卒業。数理経済計画予測研究所(CEPREMAP)および国立科学研究所(CNRS)教授、ならびに社会科学高等研究院(EHESS)研究部長を経て、2010~11年はベルリン高等研究院フェロー。
著書に『レギュラシオン理論』『入門・レギュラシオン』『第二の大転換』『現代「経済学」批判宣言』『世界恐慌』〈レギュラシオン・コレクション〉『1 危機――資本主義』『2 転換――社会主義』『3 ラポール・サラリアール』『4 国際レジームの再編』(共編著)『資本主義vs資本主義』『ニュー・エコノミーの研究』(以上いずれも藤原書店)『レギュラシオン』(ミネルヴァ書房)などがある。

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関連情報

「……21世紀の重要問題が、資本主義の――特に金融支配型資本主義の――ダイナミクスに対する公共体による管理を回復する点にあることは間違いない。実際、……アメリカの経済政策を構成する多くの領域においてウォール街の金融業者たちが権力を奪取したことによって、サブプライム危機の深刻さ・規模・持続性は最終的に説明される。逆に言えば、多様な利益団体が政治権力へのアクセス権をもっている経済のほうが、ずっと良好な経済パフォーマンスを示すし、また市民から見ての強い正統性を獲得する。同じように、欧州統合の深化について世論が守っている故意の沈黙は、共同的な手続きに不透明性が見られることや、民主主義の諸原理――主に国民国家のレベルで表明されつづけてきたところの――に則っていな いことに一部起因している。この点に関連して掲げておきたいのは、カール・ポランニーが遺した次のメッセージである。すなわち、われわれが今いる大転換の時代にあっては、公共体が労働・貨幣・自然という三つの擬制商品にあらためて統制を課すことが重要なのだ、と。」
『金融資本主義の崩壊』より)