著者紹介

フェルナン・ブローデル

総合科学としての歴史学を確立した最高の歴史家

 ヨーロッパ、アジア、アフリカを包括する文明の総体としての「地中海世界」を、自然環境・社会現象・変転きわまりない政治という三層を複合させ、微視的かつ巨視的に描ききった20世紀歴史学の金字塔『地中海』を著した「アナール派」の総帥。
 国民国家概念にとらわれる一国史的発想と西洋中心史観を“ひとりの歴史家”としてのりこえただけでなく、斬新な研究機関「社会科学高等研究院第6セクション」「人間科学館」の設立・運営をとおし、人文社会科学を総合する研究者集団の《帝国》を築きあげた、不世出の巨人。

Fernand Braudel(1902~1985)
 1902年シャンパーニュとヴァロワの間のフランスの小村に生まれる。ソルボンヌを卒業後、21歳の時アルジェリアでリセの教師となり、1932年まで在職。この間、文書史料の収集に没頭。又、アンリ・ベール、アンリ・ピレンヌ、リュシアン・フェーブルらと知り合う。
 1935年~37年、ブラジルのサンパウロ大学に出講。帰途、船中でリュシアン・フェーブルと運命的出会いをする。この年、高等研究院第4セクションに、フェーブルの推薦でポストを得、翌38年、『地中海』の著述を開始するが開戦となり、マジノ戦線へと派遣された。40年7月捕虜となり、マインツで2年、リュベックで43年5月まで収容所生活を送った。この間、学童用の粗末なノートに『地中海』の草稿を書きつけ、フェーブルに送る。
 終戦後、1946年、『アナール』誌の編集長となる(~69年)。翌47年、学位論文『地中海』の審査を経、49年、コレージュ・ド・フランスの教授就任(~72年)。56年以来高等研究院第六セクションの責任者として活躍(~72年)。62年、人間科学館を創設し館長をつとめる。84年、アカデミー・フランセーズ会員に選ばれる。85年、サヴォワにて死去。主著として『地中海』の他に『物質文明・経済・資本主義』などがある。

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