2/7 毎日新聞 「今週の本棚」欄 【鹿島茂氏】
日本における歴史人口学の鼻祖である著者がここに至るまでには、それこそ血の滲(にじ)むような史料との格闘の日々があったのである。
今日ならデータをインプットすれば、あとはコンピューターが働いてくれるが、著者はコピー機もない時代にこのBDS(Basic Data Sheet)を作成したのである。なんという気の遠くなるような作業だろう! だが、五十年に及ぶ労苦はその後の歴史人口学の発展によって十分に報いられた。過去を知ることで未来を占うという歴史学本来の使命がこれほど強く納得される本はない。